東京でも京都でもなく、誰も知らない北海道の小さな町に住んでいる

日本文化・地域

「日本に住むならどこ?」と聞かれたら、多くの人は東京か京都と答える。でも実際に日本で暮らしてみると、その二択がいかに表面的かに気づく。

日本での暮らしを想像するとき、海外の人が思い描くのはだいたい二つのパターンだ。渋谷のスクランブル交差点の感覚的な圧倒感か、京都の寺院の絵葉書のような静けさか。人口7万人の、札幌と新千歳空港に挟まれた静かな街を思い浮かべる人は、ほとんどいない。毎朝一番大きな音が、カラス同士のケンカだったりする街を。

ここが私の住む場所だ。恵庭という街で、札幌と新千歳空港のほぼ中間に位置する北海道の小さな市だ。雪と牧場と、別の時代から持ち込まれたかのようなゆっくりとした時間の流れで知られる日本最北の本島にある。

私は2週間の旅行者として書いているわけじゃない。ここで働き、家賃を払い、この街を流れる四季を何度も見届けてきた。もう何も驚かなくなった頃に見えてくるものが、この街の本当の姿だ。絵葉書じゃないリアルな話をしたい。

「ロックスター効果」は本物。ただし、すぐに消える

長期滞在の外国人が日本でよく語る現象がある。大都市を離れると、見た目が外国人というだけでちょっとした有名人になるというやつだ。コンビニの店員が顔を覚え、近所の人が出身地を聞いて夜に家族にそれを話す。外国人住民が少ない恵庭のような街では、最初の数ヶ月はこの現象が普通に起きる。

ただ、その後どうなるかはあまり語られない。目新しさはいつか消えるがそれは、人の好奇心がなくなったからじゃない。自分が「外国人」ではなく「駅近くのマンションに住んでいる人」になっていくからだ。

見世物から隣人へという移行こそ、小さな街に留まることの本当の報酬である。その領域に辿り着くには旅行よりずっと長い時間がかかるが、街の人はすぐにあなたを住人と認めてくれるだろう。

パンフレットには書いていない本当の北海道旅行

北海道の中小都市が売りにするのは主に二つ。東京や大阪より安い生活費と自然へのアクセスの良さだろう。スキー、ハイキング、温泉、どれも車ですぐ行ける。どちらも事実で恵庭の家賃は東京の同じ広さと比べたら比べ物にならないくらい安い。1時間以内に本格的な大自然に出られるのが最大の魅力だ。

ただ、パンフレットが書かないのは逆の面だ。家賃が下がると利便性も一緒に下がる。札幌市内を外れると公共交通機関はまばらで遅くなる。車は選択肢ではなくインフラになる。英語対応のクリニック、翌日配送、24時間何でもある世界は東京では当たり前のことが、ここではかなり遠い存在になってしまう。

孤立するわけではないが広さと引き換えに便利さを手放しているのが北海道の田舎なんだろう。

冬はここでは季節ではなく、性格だ

北海道と聞いてスキーを連想するのは理解できる。ニセコのパウダースノーは国際的に有名だ。でも恵庭のような街での冬の日常はレクリエーションより物流の話だ。雪は風景ではなく仕事前にこなさなければならない重作業だ。スタッドレスタイヤは提案ではない。寒さは、街全体の動き方、食べ方、社交のあり方を年間5ヶ月近く変えてしまう不便な季節と言える。

それでも「寒い場所の温かいコミュニティ」という決まり文句が、ここでは実は正確だったりする。近所の人は頼まれなくても互いの玄関先の雪かきをし、収穫や雪にまつわる地元の祭りは観光客向けの演出ではなく、本当に人が集まる場になっている。見せるための観光客がいないからこそ実際にその場所に生きている人たちの本当の姿を見ることができる。

観光じゃなく、生活を選ぶなら

日本への移住を考えていて、東京のエネルギーか京都の伝統かの二択だと思っているなら、知っておいてほしいことがある。それはあまり語られない第三の選択肢だ。

中規模の地方都市や一日1本のバスしかない深い田舎でも、8分間隔の地下鉄が走る大都市でもなくその中間。主要都市に近いから孤立感はなく、でも小さいから街があなたの顔を知っている。

日本についての旅行パンフレットが語るよりずっと静かな話だ。でも静かさこそが実は本当の売り物だったりする。

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